「ネオ4技能主義」とは何かは、ぜひこちらをご一読ください。
阿部公彦『史上最悪の英語政策 ウソだらけの「4技能」看板』
私は今回の入試「改革」については次のように考えてきました。
四技能、四技能とお題目のように唱える、形式だけの〈英語教育改革〉の被害者になって、まともに読むことすらできなくなる高校生がたくさん出てくる未来がなんとなく見えます(もちろん、この予想が外れるに越したことはありません)。この未来に備えて、救済となる教材を今から作成しておきたいです。
— 田中健一 (@TNK_KNCH) 2016年8月25日
これは何度も言っておきますが、多くの英語の先生が入試「改革」に合わせた準備をなさると思うので、私は「改悪」の犠牲となり、英語に絶望する若者が量産されるのに備え、彼らを救う準備を始めています。この準備が無駄になることを心から祈っていますが、どうなることでしょうか。
— 田中健一 (@TNK_KNCH) 2017年5月23日
「四技能」の名の下に、英文法が軽視される、英語の基礎・基本を教えてもらえなくなる可能性があると予想しています(現状でもかなりそうなっているという認識ですが)。入試問題を解けるようにするのではなく、入試問題を素材に英語力そのものを鍛える教材を作っていきたいと思います。
— 田中健一 (@TNK_KNCH) 2017年12月9日
現状でも英文法の指導はかなりいい加減なものになっています。入試「改革」によって、これがさらに加速するのが予想されます。愚かな政策に流されない「当たり」の先生に出会えればいいのですが、こればっかりは「ガチャ」のように運次第です。ガチャならお金さえかければ何度でも引き直せますが…。
「コミュニケーション重視」というお題目で英文法が軽視(もっと言うと無視)される流れは避けられそうにありません。そこで、今回は英文法の自学自習をスタートするのに適した書籍を紹介します。
松永暢史、河原清志『絵で英文法』
著者の松永先生は「教育コンサルタント」で「カリスマ家庭教師」。
河原先生は現在、関西大学大学院・外国語教育学研究科教授です。
家庭教師の先生や塾・予備校の講師が大学教授と手を組んで入門書を書くというのは、私もやりたくてやりたくて仕方がない、本当に素晴らしい本を作るために最適な方法のひとつだと思います。
この本を何度も読み込んだら、次は知識のアウトプットをしましょう。
組田幸一郎『高校やさしくわかりやすい英文法』
組田先生による「はじめに」から一節を引用します。ここに英語学習の本質が凝縮されています。
「スキーと英語は似ています。説明を受ければ、わかった気にはなりますが、それで滑れはしません。英語も、参考書の説明を読めばわかった気にはなりますが、自分で考え、声に出して、そして書いてみなければ、理解はできません。」
まずはこの2冊。この2冊をボロボロになるまで。おかしな本に騙されるとお金だけではなく貴重な時間までもが無駄になってしまいます。ですが、正しい努力は裏切りません。この2冊が「正しい努力」の第一歩です。